イケメン俳優とモヒカン手タレ

銀幕デビューを飾った。

手だけだが…



もうすっかり何日も前の出来事だが、

とても楽しく、且つエキサイティングな一日だった。



それは一本の電話から始まった。



『作品の中で、主人公が料理をするシーンがあるんですが、

 野菜をリズミカルに切ったり、フランベをしたり、

 とうたさんにその吹き替えをお願いしたいんですが』




とのこと。



『え…? ええ…?

 ん…? 吹き替え…?』



『はい、

 監督が「とうたなら大丈夫だろう」と言うので

 野菜を刻んだり、鶏をさばいたり、フランベをボワっとしたり』




『え…?フランベなんてしたことねーよ…?

 鶏も… ボーイスカウトで一度さばいたけど、

 そーゆーこっちゃないだろうし… えーっと…

 〜〜〜中略〜〜〜

 まぁでも監督が大丈夫だと言うなら… 大丈夫なのかな…?』



ってなことで引き受けました。

監督がいいって言うならね! 

ちなみにこの監督さんは、以前にご一緒した監督さんで、

そのときは丸一ヶ月間、大阪でのロケにベッタリ参加しました。

そーゆーのがあって声を掛けて頂いたのも嬉しいし、楽しそうだしね。



いっちょやってみっか!



そして当日。

もうホントに右も左もわからない状態で現場へ。

吹き替えに限らず、カメラの前に立つのも初めてだしね?

いくら顔が映らないからって、これ責任重大ジャンスカ!!!



主人公の男の子が、ヒロインの女性にこう、

『美味いもん食って元気になって…!!』

って言って料理をするシーンでございます。



監督の意向は『豪快な男の料理』とのこと。



詳しくはしらんが、

この主役の男の子の設定は基本的に“繊細”な感じらしい。

そんな繊細な男の子が、

気落ちしている女性に対し、豪快に料理を作り“男”を見せるシーン



なのかな…? と勝手に考える。



朝の10時頃に現場に入り、

大まかに自分のやることの説明を受け、

フランベの練習なんかもやってみたりしつつ昼になる。



さぁ出番だ!!!


この日オレがやったこと。



サラダ

【水菜をザクザクと切って、ザルにつっこんでジャブジャブ洗う】




これがこの日最初のカット。

いざカメラの前に出て、どういう動きなのか確認したり、

オレだったら普段こうしてるとかあーしてるとかディスカッション?というか話合って、

したらば突然ものすごい緊張しちゃって…



まず、袋の上から水菜の根っこの部分をガッと切る。

そして袋をババっと剥がして、適当な長さに切り、ボウル(ザル)にザッと入れる。

勢いよく水を流し、水菜をジャブジャブする。



失敗して撮り直すだけならまだしも、

なによりも、慌てて怪我して撮影を止めちゃうことだけはできん!!



めちゃめちゃ緊張したが、なんとか一発オッケー。



ローストチキン

【下に敷き詰める野菜をザクザク切って、オーブンの鉄板に載せていく】




タマネギの上下部分を切り落とし、皮を剥いて、

半分に切ってから スタタタタンッ♪ と刻む。

刻んだタマネギを包丁に載せて、オーブン皿(鉄板)へ移す。



撮影にも随分慣れたし、野菜を切るコト自体はお手の物。一発オッケー!

スタタタタンッ♪ ってのはこの日一番の見せ場だったかも…?



サラダ

【パプリカを賽の目切りにする、その途中、切れ端を一つ食うふりもする】




パプリカは既に半分に割って種は抜いてある状態からスタート。

まずは縦にスススっと包丁を引き、細切りにした状態で一切れを食うフリをする。

(実際に俳優が食うカットと繋ぐ)

間をおいて、今度は横にザクザク切って賽の目切りにする。

残りの半分は一気に賽の目切りにして、まな板の端へ包丁の背を用いてズズっと寄せる。



パプリカって中が空洞だし、縦に包丁をススっとやると、切れたものが倒れたりするわね。

(説明わかるかな…?)

そんな失敗が一つ。

あと、食うフリをするとき、マジでポリポリ噛む音がジャマになるということで、

2度目では口に含んで噛まないまま切り続けることに。



このカットは2回でオッケー。

だんだん楽しくなってきた。



ローストチキン

【骨付き鶏もも肉をさばき、下ごしらえをする】




ぶっちゃけ、開いてない骨付きもも肉って使ったことなかったのね。

出来る出来ないで言えばそりゃ出来るんだろうけど、

なにしろやったことないから不安だった。

フードコーディネーターの先生に教えてもらい、だいたい要領はわかった。

ぶっつけ本番!思ってた以上にすんなりと出来た。

やったことないコトだから余計に楽しい。

一発オッケーいただきました。



白身魚のフリッター

【魚に小麦粉を打って、衣にくぐらせてから油に投入】




銀のトレイに載ったタラの切り身、

そこに小麦粉を袋からバサバサっと振りかける。

鱈の切り身を4切れまとめて取り出して、余分な粉を落とす。

フリッターの衣(卵白がめっさ泡立った状態)のボウルに投入。

切り身にまんべんなく衣が絡むように、ボウルの中でもみもみ。

ボウルの縁で余分な衣を落とし、油の中に順次投入していく。



これもアレだね。

フリッターの衣ってのがどんなものか知らなかった、

あんなにふんわりモッタリした衣だとは…!

最初に衣に身を放り込んだ時にちょっと焦った。

でもいい感じにイケタようです。 一発オッケー。



米茄子のグラタン

【焼いた茄子をくり抜き、ソースを詰めてチーズを載せる】




茄子は焼いてあり、くり抜いてある状態からスタート。

彼(主役)が用意しておいたホワイトソースを茄子の器に詰める。

スプーンで何度かに分けて丁寧に詰め、最後に表面を均す。

その上からシュレッドチーズをもっさりと盛る。



これは非常に簡単な作業。

別にオレがやらんでも…

顔込みで彼がやった方がよかったんじゃないか?

と思いながらも、まぁ、ね。 オッケー。



ローストチキン

【ソースを作る。フランベする。】




フランベってのがね、普段まずやらないコトだしね。

これはかなりドキドキした。

撮影前に一度練習してすぐにできるようにはなったんだけどね。



白ワインでやる予定だったけど、

火の勢い=見た目の弱さから、結局ラムを使うことに。



オーブンからチキンの載った鉄板を取り出し、

にじみ出している鶏と野菜のエキスをスプーンでフライパンへ、

そこへラムを投入し、湧いたトコでフライパンを傾けて ボワッ!!



このカット、

彼がフランベして、その音に驚いたヒロインが顔を覗かせる。

『こんなこともできるんだぜ?』と、少し得意げに笑みを向けるというコト。



リハーサルを終えたトコで、これは彼本人がやった方がいいだろうってコトに。



今日初めてフランベをやったオレが何故か彼に指導をする。



まぁ、火が立つのは一瞬だし、フライパンを向こう側へ傾けてれば大丈夫。



最初はラムの量とか、ソースの温度とかで上手いこといかなかったが、何度かやるうちに要領を掴む。



いい笑顔でキメッ!!





そんなこんなで約5〜6時間(覚えてない)の出番は終了!!



この浅黒い手で本当に大丈夫か? とか

やったことねええええええええ! とか



いくつか不安もあったものの、かなり楽しい一日となりました。



そしてカメラの間近で撮影に接して思った。



オレはやっぱ役者とかできねぇと思う…  ありゃ大変だ!! 





まーまーまーまー

そんなこんなな12月4日でした。



そこで翌日の夕食のトウタリング依頼をもらい、

きっちりと本職の方のアピールもしてきましたとさ。



充実!! イエーイ!!

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No Responses to “イケメン俳優とモヒカン手タレ”

  1. ちよこ より:

    あんちゃこんなにイッパイやったんだね!Σ(´Д`) 
    ダメだwww 読んでて緊張しちゃったよwwww

    >今日初めてフランベをやったオレが何故か彼に指導をする。

    あんちゃ教えるの上手だもんね。
    なんだか1人納得したちよこでした。
    お疲れ様 (●´ω`●)

  2. ダメだったらもっかいやりゃいい
    やったことないんだからしょうがない
    監督がいいっつったんだから

    くらいの姿勢で居たから、緊張も最初だけだったよw
    少なからず現場を知っている立場だし、どうせやるなら良くしたいし、
    撮る側はもちろんプロだし、新しい形で関われて楽しかったね〜

    教えるの上手っつーか、
    フランベ=加熱したアルコールにコンロの火が引火するってコトだし、
    ラムはアルコール度が高いから引火しやすいし、
    かなりやりやすかったよほ〜ん

  3. ぱんだ より:

    お疲れ様です!

    てか 料理した品数多いですよね!?
    実際には何品なのかな・・・

  4. HIRONO より:

    なんか読んでいて映画タッチ・オブ・スパイスの様だわっと思ってしまいました。情景が目に浮かぶ!
    それにしても結構な品数だったんだね。
    骨付鶏もも肉なんて出されたら、私ならもう泣きながら出来ましぇ〜んって言って走り去るよ。
    なんの作品だったのか観るのが楽しみ♪
    お疲れ様でした。

  5. ふぃじゃ より:

    役者魂にまで火が・・!!!(ぇ

    すごいねぇ〜!
    ふぃじゃだったら緊張して自分の指切っちゃいそうだわ。
    またオファー来るといいなぁ(*´ェ`*)

  6. >ぱんでぃーた
    これは料理の途中途中の作業だけよ〜
    オレが実際に写る部分をやって、
    例えばサラダなら、水菜とパプリカだけはオレが切って、
    あとはフードコーディネーターの先生が作って置く感じ。
    でも、思ってたよりやることが多かったのはホントだね〜
    どうせやるならすぐ終わるのもつまらんし、それはそれでヨカッタ!

    >HIRONO
    タッチ・オブ・スパイス よし見てみよう!w
    最初は、鶏を丸ごと一羽さばくのかと思ってビビったんだけど、
    もも肉だけだったらなんとかなるかな? と根拠もなしに安堵したww
    タイトルくらいなら言ってもいいのかな…? いいか? いいな?w
    『天使のたまご』ってタイトルだったと思う。
    たまご?卵?玉子?  公開時期とかは全然知らないけど…

    >ふぃじゃ
    役者魂は…! 
    あ、でも、どーせやるならかっこよく見せたいとか、
    カメラから見えやすい風に動くこととか考えたり、
    こうした方がよくないすか? とか言ってみたりとか、
    手タレ魂に火が着いた!!?? わははは!!
    指切るのは本当に心配だった!!
    用意された包丁が手に合って扱いやすかったから助かった〜

    またオファーくるかなww

  7. チャッピ より:

    手たれデビューオメ━━━・゜・【*´∀`*】・゜・━━━トォォ
    TVってそうやって作られてるのね!!!!!!!
    俳優さんがそんなに上手に料理できるわけないもんねww

    公開日わかったら教えてケロ♪

  8. >ちゃp
    ありがとう〜!
    でも、映画だよほほ〜んw
    まぁ同じようなもんだけどねww
    料理シーンとか楽器を演奏するシーンとか、
    物によっては本当に特訓したりして本人がやる場合も多いんだけどね〜
    公開日がわかったらこっそり発表しま〜す♪

  9. ritsuko より:

    手タレというか……命名しましょう!!
    トウタっつぁんが、この日やったことは
    料 理 ス タ ン トだ!!!!! お疲れさまー。映画みるぞ!!

  10. あ!それ嬉しいっす!!
    スタント
    カースタント
    料理スタント!!   カッチョイイー!!
    ありがとうございまーす!
    名刺に書こうかな…!(調子乗り)
    体当たり!命がけの料理スタント!!!(大げさ)
    セガール・アクション炸裂!!(関係ない)   

  11. ゆきこ より:

    すっげーーー!
    お疲れ様でしたぁ!
    映画のワンシーンが、こんなにも長時間で
    スタタタターとか音は良いけど、やっぱプロだわぁ・・(;´ -`)
    繊細な男の人の手が浅黒いってうける・・ww
    なんて名前で載るんだろぉ〜!!
    ドッキドキだ (*´`*)

  12. CMなんかも凄いよ〜
    15〜30秒のCMを2日かけて撮ったりとか、
    もっと長いのも多々あるだろうしね〜
    料理のプロではあるけど、なんーんだろ?
    お店で食うようなものは作らんし、実際最初は焦ったよw
    心寄せる女性に作る料理… オレそんなん知らんぞ…  とww

    名前か〜
    たったの4・5時間の参加でロールに名前載るかな…

  13. ゆきこ より:

    のらなかったらサギだぁ・・・・(ノд゙。)

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