『目に卵を産み付けるハエ』
みなさんはご存知だろうか?
真っ赤に充血した目から、
ピンセットで幼虫を摘出する…
そんな画像を見たことはないだろうか?
YouTubeでそんな動画を見たことはないだろうか?
乾いた土地では、卵に必要な水分が得られない。
じゃあ人間や牛や馬などの眼球の水分を借りちゃおう!!
そーゆーことなのかな?
知らんけどね。
砂漠の知恵だね。
怖いですね。
モンゴルの草原にもそれは居ます。
なんでこんな話をするのか…
賢明な読者諸兄は、もうお解かりだろう。
オレもやられちゃった!!
もともと、ハードコンタクトのヘビーユーザーっつーか、
ハードじゃないと視力出ないし、眼鏡かけると頭痛くなるし、
まぁとにかくハードコンタクト無しでは生きていけないオレ。
ハードコンタクトの大敵は砂とかホコリとか。
モンゴルの草原は風が強く、砂埃も凄いということで、
防塵機能の高いゴーグルのようなサングラスのようなモノを持ってきた。
アディダスのなんか立派なモノ。
パーツを付け替えて、サングラスにもゴーグルにもなる優れもの。
この4ヶ月間、幾度となくオレの目を護ってきてくれた。
しか〜し!!
配膳の時はさ、暗くてよく見えなくて困るじゃん?
あんまり風もなかったし、外してたんだよね。
したら突然、目に虫が飛び込んできまして…
そーゆーコト自体は前にも何度かあったんだけど、
目薬さしてしばらくすれば痛みもとれるのよね。
でも今回はオカシイ…
異物感がいつまで経ってもなくならない…
目をつぶったとき、虫を潰しちゃったのかな…?
羽の破片でも入ってるのかな…?
ああ… 目がゴロゴロする…
おかしいな…
ってコトで、配膳が落ち着いたトコでお医者さんに診てもらう。
ちなみに今回のモンゴルロケ、
外国で仕事してるわけだし、
現場が街から離れた草原だったり、
暑かったり寒かったり気候が変だったり、
馬に乗ったり、アクションが激しかったり、
不測の事態に備え、ロケ隊に医療班が常に同行してくれています。
で、お医者さんに診てもらいました。
『あ〜 卵産まれちゃってるね〜』
『えええええ!!! マジスカ!!??』
どうやらコレ、肉眼でも見えるらしい。
他の人もオレの目を覗き込み…
『あ!ホントだ!コレ!?コレ卵??』
などと盛り上がっている。
オレも見たいが、オレからは見えない。(当たり前)
怖いんだけど、なぜかちょっと興奮する。
モンゴルらしい、モンゴルならではの体験。
ネタがまた増えた。
さて、卵を取り除きましょう。
水でジャバジャバ眼球を洗ったりするんだけどね、
なんか強力にへばり付いてるのね、
水じゃ取れないのね。
で…
眼球を直接拭いてみたり…
ってコレ!!
ティッシュで眼球を拭くの痛い!!!
ティッシュ!摩擦係数が高い!!!
眼球洗うのはいいけど、
腰とかに水思いっきりかかってる!!寒い!!!
目痛い!! 寒い!!!
イタイイタイイタイイタイ!!!
サムイサムイサムイサムイ!!
いやホントにコレ…
いいこと教えてやろう。
ティッシュで眼球を拭くのだけはやめた方がいいぜ?
やめとけよ?
な?
約束な?
いや、マジやめとけって!!
そんなこんなで処置は終了。
なんだか結構な数が入ってたらしい。
全部取り出したから、もう大丈夫。
充血が収まったらコンタクト入れていいよ。 と。
エライ目に遭った恐怖感と、
でっかいネタ仕入れたな!って興奮と、
まぁなんつーか悲喜こもごもで草原を後にする。
ホテルに帰り着き、片付けやらなんやらしつつ…
ん〜
異物感が…
気のせいか…?
ティッシュで目玉を拭いたし、その痛みかな…?
ん〜…?
だんだん異物感が増してるような…
でも、お医者さんが大丈夫って言ってたしな…
ん〜!?
なんか、シャレにならなくなってきたぞ!?
もっすごい異物感!!
『ガナーさん!!(通訳さん)ちょっと見てくれない!?』
(オレの目玉を見るガナーさん)
『ああああ!!アリマスヨ!!アリマスヨ!!』
他のモンゴルスタッフも覗きに来る。
『うええええ!あるある!』
『3つある!!』
『1個はティッシュのカスかもしれないけど、
少なくとも2つはコレ、絶対に卵ですよ!!』
見えづらいけど、赤丸の中がそれ。
確かにある…
病院行かなきゃ!!!
眼科に行かなきゃ!!!
第一病院って大きな病院の眼科に行く。
コンタクト作るときとか、目玉を見る機械あるじゃん?
あご乗せて、おでこくっつけてって言われるアレ。
アレで見てもらった途端。
『ああ、生きてますね〜』
『ん?ありますじゃなくて、生きてます???』
いろんな話を不確かながら総合すると、
どうやらコレ、卵じゃなくて幼虫らしい。
目の水分を吸って大きくなり、
時間が経つと、どんどん目の奥の方に入っていくそうな…
うぇ〜
こえええええええええ!!!!
今度はちゃんとした病院の中だし、
麻酔の目薬さしてもらって、ちゃんと全部取ってもらった。
一応、目の保護のため一時的にコレを貼ってもらう。
なんとも情けない姿である。
しかしホント、モンゴルならではの美味しいネタではある。
ちなみに今回の犯人(ハエ)と同一のモノとされるのがコレ。
きめええええええええ!!!!